防腐剤の発明と進化
古代
エジプトの医師は感染症治療に役立つ薬草を求め、ペルシャ人は銅製容器に入れた水の飲用が有益と考えました。ギリシャのヒポクラテスは紀元前300年頃からワインや酢を使用し、アジアの医師は樹脂(バルサム)を防腐目的で利用していました。これらの自然素材とハーブ・鉱物の混合物が、感染防止に用いられました。
科学的な始まり
「抗菌剤(antiseptic)」という語は、18世紀半ばにイギリスの医師サー・ジョン・プリングルが実験結果を発表した際に初めて使用しました。その後、ジーンヴィエーヴ・シャーロット・ダルコンヴィルが塩化水銀を、ベルナール・クルトワが1811年にヨウ素を発見し、ヨウ素は創傷用の抗菌剤として長く使われ続けました。
リスターの酸
ロイ・ポーターが編纂した『ケンブリッジ医学史イラスト版』によれば、抗菌剤開発の中で最も重要なイノベーションはイギリスの外科医ジョセフ・リスターの研究です。リスターは空気中の微生物が創傷感染の原因になると提唱し、ルイ・パスツールの細菌学研究を基に、カルボリック酸(フェノール)を抗菌剤として用いました。1865年にリスターは抗菌手術を初めて実施しました。
予防への転換
リスターとパスツールが細菌と感染の関係を明らかにした後、ヨウ素、ホウ酸、アルコールが効果的に使用されるようになりました。医療現場では、病院内の環境を無菌に保つ手法が確立され、患者保護が進みました。20世紀になると、抗生物質やサルファ薬の登場により、抗菌剤の重要性は相対的に低下しました。
