フェニルベンゾエートの用途と特性
概要
フェニルベンゾエートは、化学式 C13H10O2、分子量 198.22、沸点 298〜299 ℃、融点 68〜70 ℃ の白色結晶性粉末です。フェノール、苛性ソーダ、ベンゾニルクロリドの反応で生成され、室温では固体ですが、低温でも油状液体になることがあります。別名としてベンゾ酸フェニルエステル、ジフェニルカルボン酸エステル、フェノールベンゾエートなどがあります。
用途
電気的特性を活かし、液晶ディスプレイ(LCD)用の液晶材料として利用されます。特に低温下で、ビフェニル、フェニルシクロヘキサン、バイシクロヘキサン、フッ素系化合物との相性が良く、米国特許 6,468,606 に記載されています。また、光学部品、特に静止画・動画用高品質レンズの原料としても優れています。
エステルとは
エステルは、アルコールと酸が脱水縮合してできる有機化合物で、水と反応してアルコールや酸に戻ります。一般的にカルボン酸とアルコールから合成されますが、アルコールの代わりにフェノールやグリセロールが用いられることもあり、フェニルベンゾエートはその一例です(Chemguide)。
製法
作業は換気フード内で行い、安全メガネと手袋を必ず着用します。まず、2 M のフェノール溶液に苛性ソーダを加えて混合し、円錐フラスコに入れます。続いてベンゾニルクロリドを滴下し、フラスコに栓をして約15分間振盪し、途中で圧力を抜きます。反応後、冷却して濾過し、得られたフェニルベンゾエートを水で洗浄して残留ベンゾニルクロリドを除去します(A‑Level Chemistry)。
応用例
米国特許 4,680,372(PatentStorm)によると、フェニルベンゾエートを含む芳香族ポリエステルは、引張強度・衝撃耐性・耐熱性・UV耐性・電気特性に優れ、様々な産業で使用されています。主にポリエステル製造の原料として、衣料品から重工業部品まで幅広く応用されています。
安全性・危険性
常温では安定していますが、誤って飲み込むと非常に有毒で、皮膚刺激性もあります。粉塵や蒸気の吸入も避けるべきです。作業時は安全メガネで目を保護し、適切な換気と防護具の着用が推奨されます(MSDS Oxford)。
