幹細胞技術の概要と応用
幹細胞の収集方法
幹細胞は、胚(受精卵と精子が結合したもの)や新生児の臍帯血から採取できます。近年では、幹細胞そのものを使用しない新たな手法も研究されています。
変更核移植(Altered Nuclear Transfer)
この手法は、成人細胞のDNAを卵子に導入し胚を作り、成長を止めて幹細胞を採取します。受精は行わないものの、胚を破壊する点で宗教的・倫理的な批判を受けています。
治療用クローン(Therapeutic Cloning)
体細胞核移植とも呼ばれ、女性の卵子から核を除去し、成人細胞の核を移植します。受精は起こさず、胚様塊から幹細胞を得るため、比較的受け入れられやすいとされています。
iPS細胞(誘導多能性幹細胞)
マウスで成功した手法で、体細胞の4つの遺伝子を皮膚細胞に導入しiPS細胞を作製します。卵子や精子を必要とせず、健康な細胞や組織、臓器の作製に期待が寄せられています。
ニュクレオフェクション
電気パルスで細胞膜に微小孔を開け、DNAを導入する技術です。導入したDNAは特別な光X線で照射し、動態を追跡できるため、どの手法が有効かを評価できます。
鎌状赤血球症の治療例
損傷したDNAを皮膚細胞から取り除き、iPS細胞由来の健康なDNAを導入することで、マウスの鎌状赤血球症が治癒しました。また、健康な骨髄細胞や血液細胞の増殖も確認されています。これらは幹細胞研究の有望な成果です。
