疼痛ポンプによる損傷の症状
疼痛ポンプとは
疼痛ポンプは、手術後や疼痛管理が必要な疾患の患者に対し、薬剤を直接投与する装置です。ポンプに接続されたカテーテルを手術部位に挿入し、薬剤を直接届けます。妊娠・分娩時の疼痛など様々な用途がありますが、特に肩関節手術後の損傷が多く報告されています。
なぜ損傷が起こるのか
疼痛ポンプはカテーテルを体内に挿入して薬剤を投与しますが、FDAは関節内へのカテーテル挿入を承認していません。肩関節手術後に関節内へ挿入されると、ブピバカインやエピネフリンといった薬剤が軟骨を劣化させる恐れがあります。製造業者がこのリスクを十分に通知しなかったため、米国では少なくとも6社に対し100件以上の訴訟が提起されています。過失やポンプの故障が主な原因です。
症状
疼痛ポンプには過剰投与を防止する安全機構が標準装備されていますが、機構の不具合や設定ミスにより過剰投与が起こることがあります。その結果、軽度では頭痛、重度では腎不全などの症状が現れます。肩関節における損傷(術後肩関節軟骨融解症、PAGCL)では、疼痛、筋力低下・可動域制限、関節内での擦れる感覚やポッピング音、肩の硬直が典型的です。症状の重さは軟骨の損傷程度に依存します。
治療法
疼痛ポンプの故障や過失による過剰投与は、投与された薬剤と量により不可逆的な損傷を残すことがありますが、薬剤の作用を阻害する薬剤でさらなる悪化を抑えることは可能です。PAGCLに対しては、軟骨が自己修復できないため根本的な治療法は確立されていません。温熱パッドや市販・処方薬で疼痛を一時的に緩和する程度の対症療法が中心です。
考慮すべき点
疼痛ポンプによる損傷の疑いがある場合は、速やかに医師に相談し診断を受けてください。ポンプの使用や設定に問題があった場合、損害賠償請求が可能です。全米には疼痛ポンプ損傷を専門とする弁護士事務所が多数あります。
