DNA検査のメリットとデメリット
種類
DNA検査は日常生活のさまざまな場面で利用されています。個々のDNA配列は唯一無二であるため、父子鑑定や犯罪捜査における個人識別に広く用いられます。医療分野では、診断目的のDNA検査が標準化されつつあり、現在の疾患の診断や、がんなど特定の病気リスクを高める遺伝子の有無を判定することができます。
可能性
DNA検査により、将来罹患しやすい疾患を事前に知ることができ、予防策を講じることが可能です。特に注目されているのが「個別化医療」です。患者の遺伝情報に基づいて最適な薬剤や投薬量を選択すれば、副作用を抑え、治療効果を高められます。
メリット
犯罪捜査においてDNAは強力な証拠となり、犯人特定だけでなく、誤判された200人以上の無罪が証明されています。
また、体外受精(IVF)を行うカップルは、胚移植前に遺伝子診断(PGD)を実施し、特定の遺伝性疾患を持つ胚を除外できます。2008年4月、イギリスの報道では、BRCA1遺伝子変異を持つ可能性のある胚を除外し、乳がんリスクを大幅に低減した例が紹介されました。
デメリット
米国では遺伝情報が雇用や保険の差別に利用される懸念が根強く、2008年に遺伝情報差別禁止法(GINA)が成立し、保険会社や雇用主の利用を制限しました。
さらに、優生学の歴史的教訓も忘れてはなりません。19世紀後半の米英で始まった優生思想は、ナチス・ドイツの「遺伝的純粋性」政策へとつながりました。近年は映画『ガタカ』や『エリジウム』などで、遺伝子選別による「理想の子ども」創造が議論の対象となっています。
留意点
遺伝子検査を受ける際は、結果がもたらす影響を十分に考慮すべきです。心疾患やがんリスクが判明すれば予防策が可能ですが、アルツハイマー病やパーキンソン病など治療法のない疾患の遺伝子保有が明らかになるリスクもあります。
