ジステンパーと狂犬病の概要

狂犬病(ヒドロフォビア)

狂犬病は中枢神経系に影響を及ぼすウイルス性疾患です。動物から人へも感染し、症状が出てからはほぼ致死的です。ペットに見られる初期症状は食欲の変化、落ち着きのなさ、イライラ、攻撃性の増加です。進行すると筋肉痙攣、けいれん、極端な攻撃性、最終的に麻痺が現れます。麻痺により飲み込みができなくなるため、口から泡状の唾液が垂れ出すことがあります。

犬ジステンパー(CVD)

犬ジステンパーウイルス(CDV)は、米国で犬にとって最も深刻な健康脅威とされ、犬同士の接触で感染します。初期症状は咳、鼻や目からの粘液性分泌物、食欲不振です。病状が進むと下痢や嘔吐が現れ、最終的にけいれんに至ります。根治薬はありませんが、支持療法や二次感染に対する抗生物質投与により、免疫が回復するまで生命を維持できる場合があります。生後6か月未満で感染した子犬の死亡率は約80%、成犬でも約50%です。犬ジステンパーはフェレット、キツネ、オオカミなど野生動物でも発症します。

猫ジステンパー(パネルロペニア)

猫ジステンパーはパネルロペニアと呼ばれる猫パルボウイルスが原因です。CDVと症状や致死率が似ていますが、ウイルスは異なります。治療しても感染した子猫の約70%、成猫でも45%が死亡します。初期症状は発熱、元気がない、嘔吐、下痢です。感染した母猫から生まれた子猫は胎内で脳に障害を受け、歩き始めたときに不安定な歩行を示します。猫ジステンパーは非常に感染力が強く、家猫だけでなく野生動物でも広がります。支持療法と二次感染の治療により、回復できるケースもあります。

ワクチン

狂犬病、犬ジステンパー、猫ジステンパーの3種すべてに対して、安全で有効なワクチンが市販されています。初回接種後は年1回のブースター接種が一般的です。一部の狂犬病ワクチンは3年ごとの接種で済む場合もあります。ワクチン接種後に軽い発熱、注射部位の腫れ、食欲低下などの軽度の副反応が起こることがありますが、重篤な副作用はまれです。

必須ワクチン

米国ではすべての犬に狂犬病ワクチン接種が義務付けられています。近年は猫にも狂犬病ワクチン接種を義務化する自治体が増えています。広範な予防接種の普及により、犬同士で感染が広がるリスクは極めて低くなっています。

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