大陸極性気団の概要と影響
米国の『The Weather Book』によると、気団は主に極地か熱帯で形成されます。中緯度では大気が比較的自由に流れるため、気団の生成が少なくなるからです。米国では、北極からの大陸極性気団と南方の熱帯気団が交互に流入することで天候が変化します。大陸極性気団は、極地に近い寒冷な陸地上で形成され、北米・ヨーロッパ・アジアで観測されます。
起源
大陸極性気団は、極圏付近の陸地上で発生します。北半球では北緯66度以北、すなわち北極圏内です。北米ではアラスカやカナダ北西部が典型的な発生源で、南へ向かって移動します。ヨーロッパではフィンランド、ラップランド、ロシア、アジアではシベリア全域が形成地域です。
特徴
この気団は、冷たい上に湿度が低く、安定した空気を含みます。極地方の海上で形成される極性海洋気団とは異なり、湿度が少ない点が大きな違いです。季節を問わず存在しますが、冬季は特に低温になります。最も寒いのは北極気団で、大陸極性気団はそれに次ぐ寒さです。
変化(修飾)
大陸極性気団が南下する際、ジェット気流に乗って移動しながら陸地を横断します。その過程で徐々に温まりますが、冬季に雪に覆われた土地を通過すると温暖化は抑制されます。また、五大湖や湾などの開けた水面を通過すると、わずかに水分を取り込むことがあります。
『The Weather Book』の例では、1月にアラスカで発生した-20〜-40°F(約-29〜-40°C)の大陸極性気団が、メキシコ湾に到達するまでに25〜50°F(約-4〜10°C)に暖められるとされています。さらに、米中西部が雪に覆われていると、フロリダでも摂氏20度前後にまで冷えることがあります。
山岳の影響
大陸極性気団の南下は、山脈によって減速・阻止されることがあります。北米ではロッキー山脈が南北方向に連なるため、気団は比較的スムーズに南へ移動しますが、ヨーロッパのアルプス山脈やアジアのヒマラヤ山脈は、気団が地中海やインド亜大陸へ到達するのを妨げます。
航空への影響
パイロットは、大陸極性気団が季節を問わず南下する際に異なる大気条件に直面します。気団の発生源上空では、冬は視程良好・雲底無制限・晴天、夏はたまに積乱雲が見られる程度です。
気団が南へ進むにつれて、温かい土地や五大湖上空を通過すると、低層の雲が形成されやすくなります。冬季は軽い雪が降り、夏季は低層のストラトス雲が広がることがあります。特に米国西海岸や太平洋側で顕著です。
