ホームレス患者へのレジデンストレッジケアの効果

ホームレスの方は一般人口に比べて身体的・精神的な疾患が多く、入院回数が増え、寿命も短くなります。シェルターや公的医療機関の外来は、急性期の重症患者のニーズに十分対応できていないことが多く、安定した居住基盤や医療サービスへのアクセスが欠如すると、診療後のフォローアップ受診や薬の服用、依存症の管理が困難になります。レジデンストレッジケアは、退院後に住居と各種サービスを提供し、健康管理を支援する仕組みです。本稿では、シカゴで実施された研究が示したレジデンストレッジケアの具体的な効果を紹介します。

レジデンストレッジケアの効果測定

1998年10月1日から2000年12月30日までシカゴ(イリノイ州)で実施された研究では、クック郡病院から退院したホームレス患者を2つのグループに分け、退院後1年間の入院日数、救急外来受診回数、外来受診回数、死亡率を追跡しました。グループAは退院後にインターフェイスハウス(レジデンストレッジケア施設)へ転院できた164名、グループBは同様の条件であったもののベッド不足により転院できなかった64名です。

インターフェイスハウスの受入基準

インターフェイスハウスが受け入れる基準は次のとおりです。

  • 急性期の疾患を抱えていること
  • 日常生活動作が自立できること
  • 集団生活に適応でき、滞在中は薬物・アルコールを使用しないこと

シカゴ唯一のレジデンストレッジケア提供施設であるインターフェイスハウスは需要が非常に高く、基準を満たす多くの患者がベッド不足で受け入れを断られています。

研究結果

両グループの初回入院の主な原因は外傷、HIV/AIDS、その他感染症でした。外来受診や救急外来受診回数に統計的な差は見られませんでしたが、レジデンストレッジケアを受けたグループAは、1年間の総入院日数が58%減少しました。特にHIV/AIDS患者においては入院日数の減少が顕著でした。12か月間の追跡期間中、いずれのグループでも死亡例は報告されませんでした。

レジデンストレッジケア提供への示唆

本研究は、レジデンストレッジケアの拡充がホームレス患者の長期的な健康改善に寄与すると同時に、公共病院の医療費削減にも大きく貢献する可能性を示しています。レジデンストレッジケアの平均費用は1日あたり約79米ドルであるのに対し、入院1日の平均費用は約1,500米ドル(米国医療研究品質機関推計)です。今後、さらなる大規模研究で結果の再検証と詳細な効果分析が求められます。

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