粒子状物質がもたらす影響
米国環境保護庁(EPA)によれば、粒子状物質(PM)とは空気中に存在する固体粒子と液体滴の混合物を指します。粒子の大きさは様々で、2.5µm 超の粗い粒子や、10µm 未満の微細粒子があります。粒子状物質は人の健康だけでなく、環境全般にも大きな影響を及ぼします。
視界への影響
粒子状物質が大気中に拡散すると、光が散乱され視界が悪化し、いわゆる「ヘイズ(霞)」が発生します。ヘイズは発電所、工場、化石燃料の燃焼、木材の燃焼など多様な排出源から放出された微粒子や、窒素酸化物・二酸化炭素などのガスが生成します。EPAは、米国内の多くの地域で視界が最大70%低下したと報告しています。また、粒子状物質は長時間大気中に留まり、遠距離へ搬送されるため、建物や像などの表面を汚染・変色させる原因にもなります。
酸性雨
酸性雨は、通常の雨水よりもpHが低い(酸性が強い)雨を指し、粒子状物質を含む硫黄酸化物、二酸化炭素、一酸化炭素、鉛、フロン類などが原因で生成されます。酸性雨は魚類や水生生物の生息環境を酸性化し、植物の根や葉に浸透して成長阻害や収穫量減少、最悪の場合は枯死させます。
子どもへの影響
子どもは肺が十分に発達していないため、粒子状物質の影響を受けやすいとEPAは指摘しています。粒子状物質にさらされると、肺機能低下や胸部の痛み、咳の悪化といった呼吸器症状が増加し、喘息の発症リスクも高まります。
高齢者への影響
EPAの調査によれば、微細粒子状物質に長期間曝露された高齢者は、心臓病や肺疾患を悪化させ、年間数千人が死亡しています。さらに、肺気腫や慢性気管支炎といった呼吸器系疾患のリスクも上昇します。
