クレオソートに含まれる化合物とは?
クレオソート(ピッチオイルとも呼ばれる)は、1716年に特許が取得された木材防腐剤です。黒色から琥珀色の液体で、鉄道や海運業界で重要な役割を果たし、枕木や電話柱などの屋外木材を虫害や腐朽から保護します。
製造工程
クレオソートは高温で蒸留した石炭タールから得られます。石炭はまず炭化され、軽質・中質・重質油(アントラセン)に分離されます。そのうち中質油を再度高温蒸留し、クレオソートが生成されます。米国木材防腐協会(AWPA)などが原料や製品の化学特性に関する基準を定めています。
多環芳香族炭化水素(PAH)
PAHは1万種以上の有機化合物からなるファミリーです。クレオソート中のPAHは低分子量と高分子量に分類され、高分子量のものは分解が遅く環境科学者の関心が高いですが、必ずしも毒性があるとは限りません。高濃度のPAHががんや魚類・爬虫類の胚変異と関連するという報告もあります。
フェノール類
フェノールは芳香族炭化水素に結合した化学物質群です。家庭用では目薬やマウスウォッシュなどに含まれますが、主に合板や自動車、家電製品で使用されます。米国環境保護庁(EPA)はフェノールをグループDの発がん性物質(分類不能)としています。経口摂取が主な影響で、長期曝露は血液や肝臓へのリスクを高めます。
その他の化合物
クレオソートの約85%はPAHで構成され、残りはフェノール類やヘテロ原子(酸素、硫黄、窒素)を含む芳香族化合物です。原料の違いにより正確な組成は変動します。芳香族化合物は人や環境に有害になる可能性があるため、EPA、ATSDR、OSHA、国際がん研究機関(IARC)などが厳重に監視しています。
