鉛塗料の危険性と対策

鉛を含む塗料は、人体への有害性が明らかになる前は住宅や建築物に広く使用されていました。1978年に米国連邦政府は鉛塗料の使用を禁止しましたが、既存の塗料を除去する義務は課されませんでした。そのため、現在でも鉛塗料が残っている建物で生活・学習・労働する可能性があります。米環境保護庁(EPA)は、塗料が良好な状態であれば危険性は低いとしています。

建物内の危険

1989年以前に建てられた住宅や学校、保育施設、オフィスなどには、鉛塗料が使用されている可能性があります。EPAは「建物が古いほど鉛塗料のリスクが高い」と指摘しています。連邦法により、大家は入居希望者に既知の危険を通知し、賃貸契約書にその旨を記載する義務があります。同様に、売主も鉛塗料の有無を開示しなければなりません。主な危険部位は窓枠、階段、ドア枠、手すり、フェンス、ポーチなどです。

環境への影響

鉛塗料が施された建物の周囲の土壌にも、塗料のチップが混入し蓄積されます。特にリフォームや解体作業で塗装面がかき乱されると、鉛が土壌や埃に拡散しやすくなります。また、かつて使用されていた鉛ガソリンの残留物も土壌中に残り、吸入や誤飲による体内取り込みのリスクがあります。

大人への健康リスク

鉛に長期間曝露されると、高血圧や神経障害、関節痛、男女ともに生殖機能障害、筋肉痛、記憶力・集中力の低下など、さまざまな健康問題が報告されています。

子どもへの特別な危険

子どもは手や物を口に入れる習慣があるため、鉛への接触リスクが高くなります。発育途上にある脳や神経系は鉛の影響を受けやすく、早期に高濃度の鉛が体内に取り込まれると、脳損傷や神経障害、成長遅延、学習・行動障害が生じる可能性があります。

その他の危険源

劣化した鉛塗料が付着した住宅内の埃や、鉛を含む土壌が室内に持ち込まれることで、埃を通じて鉛が拡散します。古い玩具や家具も鉛塗料が使用されていれば危険です。さらに、鉛クリスタルや鉛釉の陶磁器に食べ物や飲み物を入れると、鉛が溶出して摂取される恐れがあります。

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