カナダの医薬品が米国より安い理由
カナダのオンライン薬局は多数あり、米国人は安価な薬を求めて国境を越えることがよくあります。なぜ米国で製造された薬はカナダで安くなるのか。その背景には、カナダの国民健康保険制度と政府による価格統制が関係しています。
カナダの審査委員会(Patented Medicine Prices Review Board)
1987年に設立されたカナダの特許医薬品価格審査委員会は、研究開発への投資を支援し、処方薬の価格上限を設定し、米国より早期にジェネリック医薬品を市場に導入できるようにしています。その結果、カナダの医薬品価格は多くの西側諸国よりも低く抑えられています。
差別的価格設定
Slate.comのジョン・バンティン氏は、製薬会社が米国以外でより低価格を提示する「差別的価格設定」を行っていると指摘しています。米国に価格統制がないため、同社は米国内で高価格を維持し、他国で低価格を提供していると述べています。もし米国でも価格統制が導入されれば、価格はやや下がるものの、カナダなど他国の価格は上昇すると予測されています。
ジェネリック医薬品
米国食品医薬品局(FDA)の調査によると、いくつかのジェネリック医薬品は米国でカナダよりも安価に販売されています。調査対象7薬のうち5薬は米国で安く、残りの2薬のうち1薬はカナダでは入手できませんでした。競争が激しい米国市場が低価格の要因と考えられます。
大量輸出・輸入
2006年に米国はカナダ製の安価な医薬品の輸入規制を緩和しました。一方、カナダ側では大量輸出が供給不足を招く懸念から、米国への大量輸出を禁止する議論が起きています。米国の州や地方自治体は、医薬品コスト削減のためカナダからの大量輸入を検討・実施しています。
注意喚起
低価格が必ずしも正規品を意味するわけではありません。2005年にFDAは「ベイト・アンド・スイッチ」作戦を実施し、カナダと称する薬局から届いた荷物の85%が実際には27か国以上の他国からのもので、偽造品が混在していることが判明しました。
