代表的な好塩性菌とその特徴
好塩性菌は、塩分濃度の高い環境で生きる微生物です。ギリシャ語で「塩好き」を意味する halophile(ハロフィル)に由来します。ここでは、マックス・プランク生化学研究所が注目する5種の代表的な好塩性菌を紹介します。
Halobacterium salinarum(ハロバクテリウム・サリナラム)
世界で最も塩分が高い場所の一つ、アメリカのグレートソルトレイク、死海、ケニア南部のマガディ湖などで見つかります。棒状(桿菌)で赤い色を呈し、光合成でエネルギーを得て生存します。
Natronomonas pharaonis(ナトロノモナス・ファラオニス)
塩分とアルカリ度が極端に高い環境、例えばエジプトのソーダ湖に生息します。極限環境に適応していますが、マグネシウム濃度が高すぎると増殖が阻害されます。
Haloquadratum walsbyi(ハロクアドラトゥム・ウォルスビー)
正方形で非常に薄い平板状の形態が特徴です。表面に小さなガス嚢を持ち、これが浮力を生んで移動します。名前は発見者の A.E. Walsby に由来し、古代から存在する古細菌(アーキア)の一種です。
Halorhodospira halophila(ハロロドスピラ・ハロフィラ)
紫色細菌に属し、特異的な光合成を行います。酸素ではなく水素を生成するため、将来的なエネルギー資源として注目されています。
Halobacillus halophilus(ハロバシラス・ハロフィルス)
真細菌(ユーバクテリア)に分類され、北海沿岸の塩性湿地などに広く分布しています。研究室で扱いやすい代表的な好塩性菌です。
