植物・動物由来の生物学的因子
生物学的因子(バイオエージェント)とは、ウイルス、菌類、細菌など人間の健康に有害な微生物のことです。テロや生物戦争に利用されることがあり、軽いアレルギー反応から致死まで様々な影響を及ぼします。古代から人類はこれらを利用してきましたが、近年は実験室で人工的に作製・改良できるようになり、脅威は一層高まっています。
古代の使用例
最古の記録は紀元前15世紀のヒッタイト王国です。疫病にかかった犠牲者を敵軍の前に進ませました。ホメロスは毒を塗った槍や矢の使用を記述し、古代ギリシアの第一神聖戦争ではアテナイ人が有毒植物ヘレボルを水源に投棄したと伝えられています。
生物兵器の発展
約3,000年の時を経て、初めての生物ミサイルが1346年にタルタル族によって使用されました。カフカの街を包囲する際、死んだペスト患者をカタパルトで投げ込みました。数世紀後、アメリカ先住民に天然痘に感染した毛布を配布し、人口を壊滅させようとした例もあります。
現代の生物戦争
現在も生物因子は重大な脅威です。ただし、近年使用される多くは自然界に存在しないものです。天然痘はワクチン接種により自然界から根絶され、残存株は研究所に限られます。一方、炭疽菌は従来は家畜から得られましたが、現在は実験室で大量に培養できます。
生物因子の種類
致死性が高いとイメージされがちですが、生物因子は多様です。口蹄疫ウイルス、H1N1、鳥インフルエンザなどは動物が宿主となります。ボツリヌス、コレラ、破傷風は自然界に存在する病原体ですが、植物や動物から抽出して兵器化することが可能です。
過去の技術の現代的活用例
工業化・兵器化により実験室中心となったものの、従来型の因子も依然利用されています。カイエンペッパーを噴霧したスプレーは警察や軍で広く使われ、2010年にはインドが世界最辛の胡椒「ブート・ジョロキア」を煙幕弾に応用しました。
