連続的な光曝露が人間に与える影響
近年、夜間や就寝時に完全な暗闇がなく、連続的・長時間にわたって光にさらされることが人間の健康に悪影響を及ぼすという証拠が増えてきました。光はまぶたを閉じても網膜に届き、メラトニンの分泌を抑制します。メラトニンは良質な睡眠やホルモンバランスを保つ重要なホルモンです。
睡眠障害
ジェファーソン医科大学の神経学教授ジョージ・ブレインアード氏によると、夜間の光曝露はメラトニン生成を妨げ、体内時計(概日リズム)を乱します。その結果、不眠症や睡眠相後退症候群などの睡眠障害が起こりやすくなります。
乳がんリスク
メラトニンの抑制は女性の乳がんリスクを高める可能性があります。米国国立がん研究所誌に掲載された研究では、夜勤や航空業務などで夜間に光にさらされる女性の乳がん罹患率が最大35%上昇することが示されています。一方、視覚障害者は光の影響を受けず、乳がん率が約50%低いと報告されています。
メラトニンと自閉症
ボウリング・グリーン州立大学の心理生物学者・神経学者ジャーク・パンクセップ博士は、低メラトニンレベルと自閉症の関連性を示唆する証拠があると指摘していますが、現時点での研究は限られています。
環境への影響
光汚染は人間だけでなく、鳥類や植物にも影響を与えます。渡り鳥は夜間の人工光で方向感覚を失い、墜落事故が増加します。また、過度な光は淡水の藻類異常繁殖(藻華)を促進し、飲料水の質低下や生態系のバランス崩壊を招きます。
対策方法
光曝露を最小限に抑える最も効果的な方法は、完全に暗い部屋で睡眠をとることです。遮光カーテンやブラインドで窓光を遮り、室内の人工光はすべて消灯します。可能であれば夜勤を避け、昼間の睡眠は暗闇を確保できる環境で行いましょう。また、深夜までの過度な徹夜は控えることが推奨されます。
