防炎加工の手順と注意点
1953年に米国議会は「可燃性繊維法」を制定し、当初は高度に可燃性の衣料の製造方法を規制しました。その後、プラスチックやフォーム、子供用睡眠着、ビニールフィルム、繊維製品、カーペット、マットレスなどへと規制が拡大されました。消費者製品安全委員会(CPSC)は繊維の燃焼安全基準を策定・管理する権限を持ちます。基準は存在しますが、消費者自身が防炎処理を施すことで安全性をさらに高めることができます。
燃焼性と難燃性
- 羊毛は自然に最も高い難燃性を持ち、他の繊維より燃えにくいです。天然繊維は合成繊維より安全とされますが、染料の種類が燃焼性に影響します。リネンや綿は燃焼速度が高く、アセテート、ナイロン、ポリエステル、アクリルなどの合成繊維は燃えにくいものの、溶けて重度のやけどを負う恐れがあります。
処理前の準備
- 対象の布地に適した防炎剤を選び、メーカーの仕様書に従うことが重要です。布地に適合しない防炎剤は効果がありません。処理前に目立たない部分でテストし、布地を十分に洗浄・乾燥させ、メーカー指定の濃度に希釈して使用します。
防炎剤の塗布方法
- 防炎剤は希釈液に浸す、刷毛で塗る、またはスプレーで直接吹き付けることができます。布地が十分に浸透するが、滴り落ちるほど濡らさないようにします。処理後は物干しや乾燥ラックで乾かし、作業場所は換気を十分に行いましょう。
処理後の取り扱い
- 防炎処理した布地は適切に洗濯しないと効果が低下します。メーカーの洗濯指示に従い、リン酸系洗剤が推奨されますが、地域の規制で使用できない場合は強力な液体洗剤を使用します。石鹸は油分が残るため使用しないでください。綿製品は塩素系漂白剤を避け、合成繊維は使用可能です。商業洗濯の高温・強アルカリは防炎剤を無効にします。
健康・環境への懸念
- penta‑PBDE・octa‑PBDE を含む防炎剤は人や野生生物に有毒ですので使用しないでください。ハロゲン系防炎剤は環境・健康への影響が調査中で、臭素系・塩素系は先天性欠損や不妊のリスクが指摘されています。
