細菌のライフサイクルと成長に影響する要因

遅延期(ラグフェーズ)

遅延期では細菌は増殖しませんが、環境に適応し、分裂に必要なビタミンやアミノ酸を合成します。また、DNAの複製を開始し、栄養が豊富であれば遅延期は短く済み、すぐに次の増殖期へ移行します。

対数増殖期(ログまたは指数期)

対数増殖期では細菌は急速に、指数関数的に増殖します。培養が倍になる時間を「世代時間」と呼び、最適条件下では最速の細菌は約15分で倍増します。増殖が遅いものは数日かかります。

細菌内部ではDNAが細胞膜の反対側へ移動し、細胞が二分裂(binary fission)によって二つの同一な娘細胞に分かれます。これが新たな増殖サイクルの開始です。

停滞期(ステーショナリーフェーズ)

停滞期になると増殖速度は低下します。老廃物の蓄積や空間不足により、対数増殖期の速さを維持できなくなるためです。ただし、別の培地に移すと再び急速に増殖することがあります。

死滅期(デスフェーズ)

死滅期では細菌は増殖能力を失い、死滅が進行します。対数増殖期と同様に、死滅速度も条件次第で非常に速くなることがあります。

増殖に影響する要因

温度、pH(酸性度)、エネルギー源、酸素・窒素・ミネラル・水分の有無などが細菌の増殖に影響し、ライフサイクル全体に関与します。最適な増殖条件は細菌種によって異なります。たとえば、サイコフィルは極低温環境で、ハイパーサーモフィルは高温環境(海底熱泉など)で最もよく成長します。アロフィルは強酸性環境を好み、ニュートロフィルは中性に近い環境を好みます。これは一例に過ぎません。

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