ダニが媒介する人間の疾患

ダニに刺されることで感染する疾患は多数あり、米国では特にリケッチア系疾患が多く報告されています。代表的なものとして、ロッキー山斑点熱、ライム病、エルリチア症、バベシア症、南部ダニ関連発疹症候群(STARI)などがあります。軽度のインフルエンザ様症状で自然に回復するケースもありますが、放置すると重篤化するものもあるため、早期の診断と治療が重要です。

ロッキー山斑点熱 (Rocky Mountain Spotted Fever)

米国のアメリカドッグダニやロッキー山ウッドダニに刺されることで、リケッチア・リケッツィイが感染します。突然の高熱、頭痛、筋肉痛に加え、体に斑状の発疹が現れます。迅速な抗生物質治療が必要で、治療が遅れると致死率が高くなります。

ライム病 (Lyme Disease)

イノシシダニ(鹿ダニ)に刺されることで、ボレリア・バージェルス菌が感染します。特徴的な同心円状の「ブルズアイ」発疹が出現し、発熱、倦怠感、頭痛、筋肉・関節痛が続きます。未治療のまま放置すると、関節炎、心筋炎、神経障害などの合併症を引き起こすことがあります。

エルリチア症 (Ehrlichiosis)

ダニが媒介するエルリチア属細菌による感染症です。発熱、頭痛、筋肉痛に加え、嘔吐、下痢、咳、関節痛、意識障害など多様な症状が現れます。小児では発疹が出やすく、約半数が入院を要し、適切な治療が行われないと致命的になることがあります。

バベシア症 (Babesiosis)

鹿ダニが媒介する原虫バベシアが赤血球に感染します。多くは無症状ですが、症状が出ると発熱、寒気、発汗、頭痛・全身痛、食欲不振、倦怠感などがあります。免疫低下者や高齢者では重篤化し、溶血性貧血や多臓器不全を起こすことがあります。

南部ダニ関連発疹症候群 (STARI)

ロンスターダニに刺されることで起こり、ライム病に似た円形の発疹と、倦怠感、発熱、頭痛・筋肉・関節痛が現れます。現在のところ、長期的な合併症との関連は確認されていません。

予防策

ダニに刺されないようにすることが最も重要です。草むらや森林などダニが多い環境はできるだけ避け、長袖・長ズボン、靴下を着用し、屋外活動後は体や衣服をチェックしてダニが付着していないか確認しましょう。刺されてしまった場合は、30日間体調を観察し、インフルエンザ様症状や発疹、リンパ節腫脹が現れたら速やかに医療機関を受診してください。

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