ヒトに感染する理髪師ワーム(Angiostrongylus cantonensis)

宿主

理髪師ワームは主にラットの肺動脈に寄生し、ラット肺虫とも呼ばれます。成熟した成虫はラットだけに見られます。

カタツムリやナメクジが中間宿主で、ラットの糞を摂取したことで幼虫が感染します。幼虫はカタツムリ・ナメクジ体内で成長しますが、ラットがそれらを食べたときにだけ成虫へと変わります。

感染経路

ヒトは生または加熱が不十分なカタツムリ・ナメクジを食べたり、汚染された水や野菜を摂取したりすることで幼虫に感染します。体内に入った幼虫は血流で中枢神経系へ移動します。ヒトは偶発的宿主であり、体内で繁殖はできません。

症状

感染後の潜伏期間は1週間から約7週間です。初期症状は激しい腹痛、吐き気、嘔吐、倦怠感です。発熱に加えて激しい頭痛や首の硬直が現れることがあります。多くの場合、自然に回復します。

まれに眼に幼虫が侵入し、視力低下、眼痛、網膜浮腫を起こします。眼内の幼虫は外科的に除去されることがあります。

アンジオストロンギロシス(疾患名)

理髪師ワームが引き起こす疾患はアンジオストロンギロシスと呼ばれ、東南アジアや太平洋地域で最も一般的な好酸球性髄膜炎の原因です。重症化すると死亡や永続的な脳・神経障害を伴うことがあります。

診断

好酸球性髄膜炎の症状と、感染地域への旅行歴やカタツムリへの曝露歴が診断の手がかりとなりますが、確定診断は困難です。

治療

特効薬はなく、主に抗寄生虫薬(アルベンダゾール、イベルメクチン、メベンダゾール、ピランテルなど)とステロイドで炎症を抑える併用療法が行われます。疼痛緩和のために鎮痛剤が処方されることもあります。

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