ドライクリーニング溶剤パーク(パークリロエチレン)の概要と健康影響
パーク(ペルクロロエチレン、別名テトラクロロエチレン)は、ドライクリーニングで最も広く使用されている溶剤です。米国環境保護庁(EPA)によれば、ドライクリーニング業界で使用される溶剤の約85%がパークです。無色・不燃性の液体で、自然界には存在しません。テキスタイル工場、CFC製造、蒸気脱脂、金属洗浄などでも使用されていますが、健康リスクへの注意が必要です。
曝露
パークへの主な曝露は職場です。空気や水に混入し、次のような状況で人体に入ります。
- パークを含む製品を使用する際
- ドライクリーニング店での作業や滞在中
- ドライクリーニング店の上階や隣に住む場合
- クリーニング済み衣類を自宅に持ち込むとき
- エアロゾル、溶剤石鹸、印刷インク、接着剤、シーラント、研磨剤、潤滑剤、シリコーン製品にも含まれることがあります
短期的な影響
パークは汚染された食品・飲料の摂取や、汚染空気の吸入により体内に取り込まれ、脂肪組織に蓄積します。短時間の吸入でも中枢神経系に影響し、めまい、倦怠感、頭痛、発汗、意識喪失などの症状が現れることがあります。
長期的な影響
長期にわたる曝露は肝臓や腎臓の障害を引き起こします。大量のパークを吸入し続ける作業者は、記憶力低下や混乱を経験することがあります。また、実験動物で発がん性が確認されており、米国保健福祉省はヒトでもがんリスクが高いとしています。
さらに、ドライクリーニング業界で働く女性は月経異常や自然流産のリスクが高まる可能性が指摘されていますが、他の要因も関与しているため確定的ではありません。
環境への影響
パークは地下水に浸透し土壌を汚染することがありますが、職場での曝露に比べると健康影響は限定的です。EPAは環境中の濃度が健康被害を引き起こすレベルに達していないとしています。
規制
クリーンエア法に基づき、EPAは大規模産業施設から排出される有害大気汚染物質を規制しています。パークは規制対象毒物リストに掲載されており、業界基準の設定と施設の定期的な審査が行われています。
代替溶剤
健康・環境への懸念から、代替溶剤が開発されています。圧縮液体二酸化炭素(CO₂)は無毒で持続可能な選択肢として注目されていますが、既存設備への転換コストが高い点が課題です。
