手術の概要
肥満手術(バリアトリック手術)は、外科医が胃を機械的に縮小させる手術です。胃をステープルで縫い、食物を入れられる容量をショットグラス程度にまで減らします。場合によっては、栄養吸収を行う小腸の一部をバイパスし、さらに体重減少を促進します。また、胃にバンドを装着して少量の食事で満腹感を得られるようにする方法もあります。胃容量が大幅に減少するため、術後は適切な栄養管理が欠かせません。
栄養ドリンクの役割
術後すぐは数週間にわたり、全ての食事が液体に限定されます。エンシュア(Ensure)などの栄養ドリンクは、液体でありながらバランスの取れた食事に相当する栄養素を提供します。タンパク質、脂質、炭水化物はもちろん、食物繊維、ビタミン、ミネラルまで含まれ、実質的なミールリプレイスメントとして機能します。さらに、少量で高栄養価を実現しているため、狭くなった胃でも無理なく摂取できます。
手術後の胃の状態
手術で縮小された胃は非常に小さく、かつ手術痕によってデリケートです。そのため、大量の食事や消化しにくい固形物は受け付けません。胃が機械的に処理できるのは、少量で消化しやすい液体だけです。栄養ドリンクは、こうした条件に最適な形態と言えます。
必要な栄養素
体が正常に機能するためには、エネルギー源となる炭水化物、組織の構築に不可欠なタンパク質、そして保護・緩衝作用を持つ脂質が必要です。さらに、ナトリウム、カリウム、クロールなどの電解質は、神経信号の伝達や心拍の維持、細胞膜を通した物質移動に欠かせません。栄養ドリンクはこれらすべてをバランス良く含み、糖尿病患者向けに低糖タイプを選ぶことも可能です。
栄養失調のリスクと対策
胃が小さくなると、必要な栄養を十分に摂取できず、栄養失調に陥りやすくなります。1時間ごとに少量でも摂取し続ける必要があり、食事を抜くとすぐに栄養不足に陥ります。栄養ドリンクは、少量で必要な栄養をまとめて供給できるため、こうしたリスクを大幅に低減します。
