股関節置換術後の回復と血栓対策
股関節の変形性関節症で激しい痛みを抱える患者に対し、股関節置換術が推奨されます。関節の劣化により歩行や座位、立位が困難になることがありますが、手術後は痛みが軽減し生活の質が向上します。一方、手術には血栓形成といった一時的なリスクが伴います。
重要性
米国整形外科医会(AAOS)によると、血栓は股関節置換術の最も一般的な合併症のひとつです。術後の活動不足や血流低下により、特に脚の深部静脈に血栓(深部静脈血栓症、DVT)ができやすくなります。
症状
血栓は無症状の場合もありますが、痛み、腫れ、赤みがかった静脈、触れると温かいといった兆候が現れることがあります。胸の痛みや息切れも血栓のサインです。これらの症状がある場合は、直ちに医師の診察を受けて検査を受けるべきです。
予防策
手術後、医師は血栓予防のために以下の対策を勧めます。
- 圧迫ストッキングやエラスティックホースの着用で血流を促進
- 圧迫ブーツ(インフレータブルレッグカバー)の使用
- 足首ポンプ運動:椅子やベッドから足を垂らし、つま先を上げて膝を伸ばす動作を交互に2分間行う
薬物療法
術後の血栓リスクを下げるために、医師はヘパリンやワルファリンなどの抗凝固薬を処方します。服用時は医師や薬剤師の指示を守り、他に服用中の薬を必ず報告して薬剤間相互作用を防ぎましょう。
回復
回復期間は手術法や患者の年齢・体調に左右されますが、低侵襲手術は回復を早めます。置換した股関節に体重をかけることや、関節を定期的に動かすことを恐れずに行うと、可動域が維持しやすくなります。Zimmer社のデータによれば、術後4〜6週間で仕事や歩行、車の運転などの日常活動にほぼ戻れるとされています。
