人工関節全置換術後の感染サインと対処法
理学療法士として14年以上の経験を持ち、数千人のリハビリを担当してきました。本稿では、人工関節全置換術(股関節・膝関節)後に注意すべき感染サインと、医師へ連絡すべきタイミングを解説します。また、術後に知っておくと役立つポイントも併せて紹介します。
感染のサイン
- 手術部位の赤みが強くなる
- 切開部からの滲出液や膿が出る
- 発熱(38℃以上)
- 手術部位が触って温かい
- 吐き気や嘔吐が続く
上記のいずれかに該当した場合は、速やかに主治医へ連絡してください。
感染予防のポイント
- 医師の許可が出るまで、浴槽での浸かりは控える
- 切開部が完全に治癒するまで、ローションやオイルを塗布しない
- 石鹸と水で切開部を優しく洗い、乾いたタオルで軽くたたくように拭く
- 喫煙者は禁煙を試みる。喫煙は治癒を遅らせ、感染リスクを高めます
血栓(深部静脈血栓症)のサイン
- 手術側の下腿(ふくらはぎ)が腫れる
- ふくらはぎが触って痛む
- 皮膚が赤くなる
- 歩行時にふくらはぎが痛む
血栓を予防するためには、こまめに歩行し、足首ポンプ運動を行いましょう。血流が滞らないようにすることが重要です。
上記の症状がある場合は、直ちに医師へ連絡してください。血栓が疑われるときは、歩行を控え、患部に温熱を加えないようにしましょう。
肺塞栓症(PE)のサイン
- 原因不明の息切れ
- 深呼吸や咳、胸部の動きで悪化する胸痛
- 血痰(血が混じった咳)
- 心拍数の増加、発汗、失神などの全身症状
肺塞栓症は命に関わる緊急事態です。疑いがある場合はすぐに医師に連絡し、すぐに受診できない場合は救急医療機関へ搬送してください。
まとめ
術後の異常サインを早期に察知し、適切に対処することが回復をスムーズにする鍵です。疑問や不安があるときは、遠慮せずに医療スタッフに相談しましょう。
