股関節全置換術(人工股関節置換)の主な合併症
深部静脈血栓症(DVT)
手術後の長時間の安静により、脚の静脈内で血栓ができやすくなります。血栓が血流に乗って肺へ移動すると肺塞栓症を引き起こし、肺や他の臓器への血液供給が遮断され、重篤な障害や死亡に至ることがあります。
感染症
股関節置換術は皮膚切開や深部への器具挿入を伴うため、手術部位や体内組織に細菌が侵入しやすくなります。そのため、手術中に静脈内抗生物質を投与しますが、術後に創部の発熱、赤み、腫脹、膿の排出などの症状が出た場合は感染が疑われ、追加手術や長期抗生物質治療が必要になることがあります。
人工関節の不具合
人工股関節は骨にネジやセメントで固定しますが、活動量や固定方法、体重などの影響で緩むことがあります。緩みが起こると痛みや腫れが生じ、再固定や再置換の手術が必要になることがあります。
疼痛や硬直
股関節置換術は疼痛軽減と機能改善を目的としますが、術後に疼痛が残ったり、可動域が制限されたりすることがあります。セメント固定でない場合、術後最大24か月間に大腿中部の疼痛が続くことがあります。また、術前に関節が高度に損傷していた場合は、硬直が起きやすくなります。
脚長差
手術中に脚長を均等に保つよう細心の注意を払いますが、股関節の安定性や筋力改善のために意図的に脚を長くすることがあります。患者は実際には差がなくても、手術側の脚が長く感じることがありますが、時間とともに慣れ、自然に感じられるようになります。
