ACL再建手術の合併症と対策

骨折

手術後の外傷(転倒や事故)により、膝蓋骨や大腿骨が骨折することがあります。ACL再建には自家移植片やドナー移植片が使用されますが、膝前部から移植片を採取した場合、骨の一部が除去されるため膝蓋骨骨折のリスクがあります。また、ハムストリング腱から自家移植した場合、治癒不全により大腿骨骨折が起こることがあります。

神経損傷

手術中に膝の神経が切断または伸張されることがあります。疼痛は時間とともに軽減することが多いですが、機能が完全に回復しない場合があります。神経が切断された場合は激しい痛みが生じ、損傷した神経の除去手術が必要になることもあります。永続的な感覚障害や筋力低下が残るケースもあります。

血栓(血液凝固)

手術後に膝、脚、骨盤、肺に血栓が形成されることがあります。特に動脈硬化などで血管に脂肪沈着がある人はリスクが高くなります。血栓は血流を遮断し、組織の酸素供給が低下して壊死や最悪の場合は切断につながります。深部静脈血栓症(DVT)が肺へ移行すると肺塞栓症となり、息切れを引き起こします。早期発見で抗凝固薬により治療可能です。

感染症

他の外科手術と同様に、ACL再建でも感染リスクがあります。感染予防のため、手術中は静脈内抗生物質を投与し、術後に経口抗生物質を処方することがあります。

可動域の制限

手術後、膝関節の硬直や可動域の変化が起こりやすいです。これは手術部位の腫脹や線維組織の増殖が原因です。整形外科医や理学療法士が指示する可動域エクササイズにより腫脹を抑え、筋力回復を促しますが、長期的に可動域が制限される患者もいます。

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