膝関節置換術の主な合併症と対策
膝関節置換術は、薬物療法で改善できない慢性的な膝の痛みや炎症、変形、硬直に対して行われます。主に60〜80歳の成人が対象で、合併症は稀です。米国整形外科医会(AAOS)によると、全体の2%未満の患者しか合併症を経験しません。
血栓(深部静脈血栓症・肺塞栓症)
手術後は脚の血栓ができやすく、肺に血栓が流れると肺塞栓症を起こす恐れがあります。予防策としては、脚を高く上げる、循環を促すエクササイズを行う、圧迫ストッキングを着用する、そして医師の指示に従って抗凝固薬を服用することが推奨されます。
感染症
手術部位の感染は比較的頻繁に報告される合併症です。歯科治療や尿路・皮膚感染が血流に乗って人工関節周囲に広がることがあります。術後は抗菌薬の投与が行われ、感染リスクを低減します。
人工関節の摩耗・緩み
稀ではありますが、関節部品が予想以上に早く摩耗したり、外傷などで緩んだりすることがあります。緩みが認められた場合は再手術が必要になることがあります。
瘢痕組織(癒着)
手術後に瘢痕組織が過剰に形成されると、膝の可動域が制限されることがあります。理学療法やストレッチで改善を図ります。
神経・血管の損傷
手術技術は向上していますが、稀に神経や血管が損傷するケースがあります。AAOSはこの合併症は非常にまれであるとしています。
