アキレス腱延長手術の手順とリハビリ

正常な歩行ができるのは、足と姿勢をコントロールする強靭な結合組織、アキレス腱のおかげです。逆に腱が短すぎると、普通に歩くことすら困難になります。この記事では、アキレス腱を伸ばすための装具療法から手術、リハビリまでの流れを解説します。

アキレス腱とは

腱は筋肉と骨をつなぐ丈夫な繊維組織です。アキレス腱はふくらはぎの腓腹筋とヒラメ筋から下方に伸び、踵(かかと)の骨である踵骨に付着します。足首の背屈(つま先を上げる)や着地の際に重要な役割を果たし、成人の体重を支えるだけでなく、運動時には体重の3〜12倍に耐えることができます。

問題点

アキレス腱が短い、または緊張していると、膝を曲げたときしか足を90度に曲げられず、つま先立ちで歩かなければならなくなります。幼児のつま先歩きや、姿勢不良、走り方の問題、特定の麻痺などが原因で、大人でも同様の症状が現れます。

装具療法(ブレース)

子どもで緊張したアキレス腱が疑われる場合、まずはリハビリや装具による自然伸長を試みます。最も低侵襲な方法は、モールド型足関節装具(AFO)で足を適切な位置に固定することです。装具が効果を示さない、または不快感がある、成長に伴い装具が合わなくなった場合は手術が検討されます。

手術方法

  • 経皮的伸長術:外科医が腱に複数の切開を入れ、自然に裂けて長くなるようにします。
  • Z字形成術(Z-プラスティ):腱にZ字型の切開を行い、Z字の腕を引き伸ばすことで長さを調整します。
  • 腓腹筋リセッション:腱に付着している筋肉繊維を緩める手術で、軽度の症例に有効です。

回復とリハビリ

手術後は、底部にソールが付いたギプスを装着し、歩行が可能になるまで使用します。約1週間でギプス内での歩行ができるようになり、ギプスは約1か月で外します。歩行が正常に戻らない場合は、ブレースや追加の理学療法が行われます。

注意点

術後に軽度の皮膚感染が起こることがありますが、最も懸念されるのは腱を過度に伸ばしすぎるリスクです。特に経皮的伸長術は制御が難しく、過伸長の可能性が高いです。一方、Z字形成術やリセッションは伸長量を細かく調整できるため、比較的安全です。

まとめ

アキレス腱の短縮は歩行に大きな支障を来しますが、装具療法から手術、適切なリハビリまで段階的に対処すれば、足の柔軟性と正常な歩行を取り戻すことが可能です。

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