麻酔機の構成要素とは?

機能

麻酔機は病院の壁面コンセントから酸素、空気、笑気(亜酸化窒素)を供給されます。笑気は強力な麻酔薬の運搬ガスとして優れています。これらのガスは約60 PSI(約4バール)の圧力で機械に入り、通常酸素と笑気の比率は2:1です。

蒸発器(バポライザー)は麻酔薬を蒸気に変換し、送出ガスに混合します。その混合ガスは人工呼吸器(ベンチレーター)によって患者へ送られ、呼吸回路を通じてフェイスマスクに供給されます。マスクは患者の顔に密閉し、ガスが漏れずに安全に届けられるようにします。

制御

麻酔科医は患者が手術中に適切に鎮静・麻酔された状態を保つため、ガス混合比を正確に調整する必要があります。酸素と笑気の流量は個別に調整できるレギュレータで管理し、バポライザーの設定で各麻酔薬の濃度を変更します。リアルタイムで患者のバイタルサインを監視しながら、必要に応じて即座に調整が可能です。

冗長性(バックアップ)

本体の供給ラインに障害が発生した場合に備え、機械には予備シリンダーが搭載されています。使用中は予備シリンダーのレギュレータを約45 PSIに設定し、メインラインが正常に供給できる限りはそちらからガスを引きます。メインラインが低圧になるか切断された際は、予備シリンダーが自動的に供給に切り替わり、患者へのガス供給が途切れません。

安全機能

手術中に患者が意識を取り戻すことは重大なリスクです。そのため、現代の麻酔機には複数の安全機構が組み込まれています。

  • 過圧防止:すべての供給ガスラインにはポップオフバルブが設置され、圧力が危険レベルに達した際に自動的に排出します。
  • 排ガス回収:フェイスマスクの密閉に加えて、使用済みガスを回収・処理するスカベンジングシステムがあり、手術室への麻酔ガス漏れを防止します。

その他のタイプ

病院で使用される連続流型機械以外にも、特定の用途向けの麻酔機があります。例えば、戦場や救急現場で使用される携帯型麻酔機は、酸素と笑気のタンクを内蔵した自給自足型です。機能はコンパクトで、バックアップシステムやスカベンジング機構は簡素化されていますが、緊急時に迅速に麻酔を提供できる点が特徴です。

手術(総論) - 関連記事