シナモンオイル水性抽出物が血糖と代謝に与える影響
シナモンについて
シナモンは熱帯・亜熱帯の大きな樹木から得られる香辛料で、樹皮や葉から精油が抽出されます。精油は心血管疾患、感染症、ウイルス性疾患、消化器系の不調に有用とする報告があります。
シナモンとインスリン応答
インスリンは血糖(ブドウ糖)の代謝と血糖値を調整するホルモンです。2型糖尿病ではインスリン感受性が低下しています。米国農務省(USDA)のリチャード・A・アンダーソンらが行った「シナモン抽出物がインスリン感受性を高める」研究では、培養脂肪細胞にシナモン抽出物を加えるとインスリンへの応答が約20倍に増加し、糖代謝が著しく向上したことが示されました。
ヒトでのシナモン研究
2型糖尿病患者を対象とした臨床試験では、1日あたり1、3、6 gのシナモンを摂取することで、血糖値、トリグリセリド、LDLコレステロール、総コレステロールが有意に低下しました。また、糖尿病や心血管疾患のリスク因子が改善されたと報告されています。
別の研究「シナモン抽出物が血漿ブドウ糖、HbA1c、血清脂質に与える影響」では、血糖コントロールが不十分な患者において空腹時血糖が中程度に低下し、糖尿病管理に有用である可能性が示唆されました。
シナモンオイルの使用法
現在、シナモンは血糖コントロールの公式な治療法として推奨されていないため、使用指針はありません。アンダーソンは、1日半小さじ(約2.5 ml)のシナモン抽出物を摂取すると、血糖、総コレステロール、LDLコレステロール、トリグリセリドが劇的に改善すると報告していますが、これは医療用グレードの抽出物を前提としたものです。
注意点
シナモンオイルは皮膚に刺激を与えることがあり、敏感な部位では炎症ややけどを引き起こすことがあります。血糖降下効果を期待して経口摂取する場合は、医療従事者の監督下で治療用グレードの製品を使用する必要があります。
意義
糖尿病や血糖管理は重大な健康課題であり、シナモンのように入手しやすく低コストな天然素材が有効な補助療法となる可能性は大きいです。
