リトアニアの民俗療法
リトアニアの民俗療法は、ハーブ、石、水、樹木、動物、そして呪文や呪術を組み合わせて、病気の治療、邪悪の除去、幸運の呼び込み、トラブルの回避などに利用されてきました。
ハーブ療法
- コンフリー(カンフリ)はお茶にして飲み、骨折の治療に用いられました。
- ヤロウは開いた創に当てて出血を止め、ニンニクは首に巻いて感染症から守ります。
- ブルーベリーは目の疾患に、ニンジンやタンポポ、黄色い植物は黄疸に、腎形豆は腎臓の不調に使われました。
- 癒しのハーブはマットレスに詰め込み、関節やリウマチの痛みを和らげました。
- キャベツの葉や塩をバターで包んだ布を胸に当て、寒さからくる胸痛を緩和しました。
樹木療法
- 白樺やイラクサの枝で体を打ち、病を追い払う儀式が行われました。
- ヴィリウヴァの円形に伸びた枝の下に病児を置くと回復すると信じられました。
- ニブジエイの手の形をした松やシルヴァのパイプ形の枝も神聖視されました。
- 樹皮は外用薬として使用され、治癒を願う人は木の穴に体を押し込んだり、供物を吊るしたりしました。
- 子どもや健康を願う女性は、特定の木に刺繍されたエプロンを結びつけました。キリスト教伝来後は同様の儀式が道端の十字架でも行われました。
動物を用いた療法
- ヘビを食べて皮膚疾患を治し、アリ塚の水でリウマチ部位を洗う、またはアリ塚に横たえることで症状を和らげました。
- ヒキガエルを煮て飲むとジフテリアに効き、子牛の肝臓は体力低下に、山羊・羊・雌馬の乳は力を増すとされました。
水と火の療法
- 呪文を込めた水(泉水、窓の露、石の穴の水、復活祭の日に汲んだ水)は自然の治癒力と信じられました。
- 聖木曜日や復活祭、聖ヨハネの日の夜明け・日没に入浴すると病が洗い流されます。
- 産婦は浴場で出産し、重症患者は蒸し、瀉血、マッサージを受けました。ヒルや氷、温めたレンガも症状別に使用されました。
- 疥癬は熱いオーブンに入れることで治療し、くる病は日光浴、火と煙は病を追い払う手段とされました。
石・燧石・金属の療法
- 髪を切ると頭痛や失明になると信じられ、熱した鉄で髪を焼き切りました。頭痛は鉄で頭部を擦ります。
- 開いた頭部の創は明礬や鉛水で洗浄し、銀や水銀は魔術や呪いから身を守るために用いられました。
人体部位を用いた療法
- 出産後、胎盤と臍帯を乾燥させ、傷や腫れた部位に撒いて止血・治癒を促しました。
- 死者の指をこすりつけることでほくろ、いぼ、ヘルペスを治すと信じられました。
その他の民俗療法
- 病は呪文、恐怖、締め付け、揺さぶり、吹きかけ、鞭打ち、結び、魔術などで追い払われました。
- 呪文は水、ウイスキー、小麦粉、パン、はちみつ、塩にかけて唱えられ、キリスト教の影響も受けましたが、信仰のない者には効かないとされました。
