大麻が代謝に与える影響
カンナビス・サティバ(一般にマリファナ)は、古代から様々な文化の呪術師や神秘家に精神作用を目的に使用されてきました。現在、多くの国で違法薬物とされており、葉を喫煙または摂取すると人体の代謝に影響を及ぼすことから薬物に分類されます。
THC(テトラヒドロカンナビノール)
マリファナの主な活性成分はΔ9-テトラヒドロカンナビノール、通称THCです。煙を吸引するとTHCは肺を通じて血流に入り、全身へと運ばれ脳や他の臓器に到達します。米国国立薬物乱用研究所(NIDA)によると、長期使用が脳に与える影響は研究が分かれており、慢性的な使用者の脳画像では変化が見られるものの、認知機能低下との因果関係は明確ではありません。
THCの作用機序
THCは脳内のカンナビノイド受容体に結合し、快感や記憶、注意力、身体協調、時間感覚・感覚刺激の知覚に関わる領域を刺激します。この受容体の活性化により、協調性や問題解決能力、記憶機能が一時的に低下します。
代謝への影響
大麻の最も顕著な代謝への影響は心拍数の上昇です。吸引後の心拍数は20%〜100%増加し、効果は最大で約3時間続きます。そのため、NIDAは喫煙後1時間以内に心筋梗塞のリスクが顕著に高まると指摘しています。また、心拍リズムの乱れ(動悸や不整脈)も報告されています。
食欲増進(“マニー”)
大麻は食欲を刺激する効果もあります。THCが食欲中枢を刺激することで「マニー」と呼ばれる食欲増進が起こります。この効果はアルツハイマー患者への研究で初めて確認され、がん患者の化学療法による吐き気や食欲低下の緩和にも利用されています。
