音楽が心拍数に与える影響
音楽は脳を介して心拍数に影響を与えます。音楽を聴くとリズムとテンポが脳内に神経的な拍動を生み出し、心拍や呼吸がその波に合わせてリズムを模倣します。
重要性
- 音楽は低コストで楽しく健康効果が期待でき、医療手術前のリラックスや、脳卒中・パーキンソン患者の運動機能向上、冠状動脈疾患患者の不安軽減に役立ちます。
研究結果
- 2006年にサンフランシスコのカリフォルニア大学看護学部が実施したランダム化比較試験では、血管造影検査前の170名の患者のうち、15分間リラックス音楽を聴いた群は無音で待機した群に比べて有意に心拍数が低下しました。
- 2009年のコクラン系統的レビュー(23件、約1,500名)でも、心疾患患者が音楽を聴くと心拍数と血圧が低下することが確認されています。
音楽の種類
- 臨床研究で使用された音楽はクラシック、ポップ、ロック、ラップなど多岐にわたりますが、心拍数への影響は音楽のジャンルよりテンポが重要です。一般に速いテンポは心拍数を上げ、遅いテンポは下げます。
ミュージシャンと非ミュージシャンの比較
- ミュージシャンと非ミュージシャンを対象とした研究では、ミュージシャンの方が音楽による心拍数変化が大きいことが示されました。オックスフォード大学のピーター・スライト博士は、ミュージシャンは呼吸とリズムを合わせる訓練を受けているため、より顕著な効果が出ると推測しています。
理論・仮説
- 音楽と神経機能研究所のコニー・トマイノ氏は、胎児期から音のパターン変化を識別できるため、全ての人が「リズムに対して生得的に感受性がある」ことを指摘しています。この感受性は、周囲の世界を学び解釈するために生まれつき備わっていると考えられます。
