腱炎の理学療法とリハビリテーション

腱は筋肉と骨をつなぐ柔軟な繊維組織です。筋肉が収縮すると腱が張り、骨を動かす役割を担います。腱炎(腱の炎症)は、過度の使用や加齢、糖尿病・関節リウマチなどの疾患、コレステロールの高い血液、骨や関節の構造的問題などが原因で起こります。

主な部位

腱炎が最も多く見られる部位は、肘、肩、膝、股関節、アキレス腱、そして親指の付け根です。肘の外側腱が炎症を起こす「テニス肘」や、内側腱が炎症を起こす「ゴルフ肘」も代表的です。肩の腱炎は二頭筋や回旋腱板の損傷を含み、膝の腱炎はジャンプや自転車、ダンスなどの繰り返しの負荷で起こる「ジャンパー膝」と呼ばれます。アキレス腱は全身で最も大きな腱で、カーフ筋と踵を結びつけ、長時間の負荷がかかるスポーツ選手に多く見られます。

治療の基本

腱炎は医師や理学療法士の診察で診断されます。初期治療は患部を安静にし、痛みや炎症を悪化させる動作を避けることです。患部をすぐに氷で冷やす、サポーターやテーピングで保護する、市販の抗炎症薬(アスピリン、ナプロキセン、イブプロフェンなど)を使用することも有効です。1週間以上改善しない場合は、ステロイド注射、理学療法、稀に手術が検討されます。

ストレッチ・筋力トレーニング・マッサージ

理学療法では、患部周囲の関節と筋肉を徐々に伸ばすストレッチや、軽度の筋力強化エクササイズを行い、可動域と機能回復を促します。個々の状態に合わせたエクササイズプログラムが提供され、特に背部・骨盤のコア強化(ピラティスなど)が多くの腱炎に効果的です。また、軟部組織のマッサージも血流改善と疼痛緩和に役立ちます。

温熱・冷却療法

患部への冷却は腫れを抑え、温熱は血流を促進します。理学療法士は冷却パックや温熱パック、ジェルなどを用い、氷は1回につき15〜20分、4〜6時間ごとに行うのが目安です。さらに、水治療(温水プール、ホットタブ、ウォーターヨガなど)で温熱効果と負荷軽減を同時に得ることもあります。

超音波・電気刺激療法

超音波療法は高周波音波で筋肉や靭帯を温め、血流を増加させて炎症を軽減します。ハンドヘルド型の装置で皮膚上から約5センチまでエネルギーを届けます。電気刺激は低周波の電流を患部に流し、疼痛抑制と筋収縮の改善、血流促進を狙います。

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