膀胱がん治療の最新ガイド:手術・化学療法・放射線・免疫療法
概要
米テキサス大学MDアンダーソンがんセンターによると、膀胱がんは米国で5番目に多いがんです。膀胱がんは膀胱に発生するがんで、男女ともに罹患しますが、男性は女性の約2倍のリスクがあります。白人や喫煙者は一般人口の約2倍の罹患率です。年間約6万人が膀胱がんと診断され、そのうち約1万2千人が死亡します。早期発見が鍵で、ステージIの5年生存率は約95%です。
手術
膀胱がんの根治を目指す主な治療法の一つが手術です。早期であれば、経尿道的切除術(TUR)により膀胱の一部だけを残すことが可能です。TURは、細いチューブ(切除鏡)を尿道から挿入し、ワイヤーループでがん細胞を削り取るか、電流で焼灼します。がんが膀胱壁の表面を超えている場合は、膀胱全摘術(システクトミー)が必要になることがあります。
膀胱再建術
システクトミー後は、尿路機能を回復させるために再建手術が行われます。代表的な方法は以下の通りです。
- 回腸新膀胱(イレアル・ネオブレーダー):小腸の一部を利用して新しい膀胱を形成。
- イレアル・コンジット:小腸の一部で尿を外部の尿バッグへ導く管を作成。
- コンチネント・リザーバー:小腸組織で腹部近くに貯蔵袋を作り、カテーテルで尿を排出。
化学療法
化学療法はステージIV(転移)膀胱がんの主要な治療手段です。完全に治癒できない段階でも、症状の緩和や腫瘍の進行抑制に有効です。転移性膀胱がんに頻用される薬剤は、アドリアマイシン、シスプラチン、メトトレキサート、ビンブラスチンの4種類です。
手術後に再発リスクが高い患者(筋層までがんが侵入しているケース)にも、補助化学療法が行われます。また、術前に腫瘍を縮小させる新補助化学療法(ネオアジュバント)も、根治手術の成功率を高めます。
放射線療法
膀胱がんの一次治療としては一般的ではありませんが、化学療法と併用して膀胱温存を目指す例があります。この治療は、以下の条件を満たす患者に限られます。
- 全身状態が良好で、化学療法と放射線治療(約35回)を耐えられること。
- 腫瘍が小さく、単発であること。
- 治療後の定期的なフォローアップが可能であること。
免疫療法
2009年頃から注目され始めた免疫療法は、体内の免疫機構を活性化してがんと闘わせる治療法です。表在性膀胱がんに対しては、膀胱内免疫療法が実施されます。具体的には、BCG(カルメット・ゲラン)という弱毒化した結核菌を膀胱に注入し、免疫応答を誘導してがん細胞を除去します。膀胱壁の切除とBCG療法の併用で、約70〜80%の患者が有効と報告されています。
