小児における髄芽腫の概要と最新治療
髄芽腫は小児に最も多く見られる中枢神経系の悪性腫瘍です。ボストン小児病院の統計によると、全小児腫瘍の約15〜20%を占めています。腫瘍は主に小脳に発生し、複雑な運動機能や平衡感覚の制御に関与します。
原因
現在のところ、髄芽腫の発症に直接結びつく明確な危険因子は確認されていません。研究者は、まれな遺伝性疾患が発症リスクを高める可能性があると考えており、遺伝子経路の解明が進められています。
症状
主な症状は、朝起床時に強くなる頭痛、脳内圧の上昇による疲労感・倦怠感、嘔吐です。これらは風邪やインフルエンザと誤診されやすいです。また、複視、首の傾き、協調運動障害やバランス感覚の低下も見られます。腫瘍が脊髄に広がると、背部の激しい痛みや下肢の筋力低下が生じることがあります。
治療法
治療は腫瘍の大きさ・位置・組織型、患者の年齢・全身状態、薬剤や放射線への耐性を総合的に評価して決定します。主な選択肢は以下の通りです。
- 脳室腹腔シャント(VPシャント)による脳脊髄液の排出と頭蓋内圧の管理
- 腫瘍の外科的切除
- 放射線療法
- 化学療法
治療後の影響
治療を受けた子どもは、長期的に以下のような副作用が出ることがあります。
- 放射線による身長低下
- 化学療法に伴う難聴
- 視床下部・下垂体への放射線影響による内分泌機能障害
- 放射線照射部位での二次腫瘍発生(治療後8〜12年で出現することが多い)
経過観察とフォローアップ
髄芽腫と診断・治療を受けた子どもは、以下の項目を中心に年1回の詳細なフォローアップが推奨されます。
- 神経学的・身体的検査
- 内分泌機能評価
- MRI検査
- 神経生理学的検査
- 聴覚検査
