卵巣がんの治療法
米国国立がん研究所(NCI)の推計によると、2009年の米国における卵巣がんの新規診断は21,550例とされています。卵巣がんは主に上皮性卵巣がん(卵巣組織から発生)と胚細胞腫瘍(卵子から発生)に分類され、治療法も多岐にわたります。ここでは、現在実施されている主な治療法と、将来期待される新しいアプローチについて解説します。
外科手術
卵巣がん患者の大多数は、がんをできるだけ多く除去する手術を受けます。手術の種類は以下の通りです。
- 全子宮摘出術(子宮と子宮頸部の除去)
- 卵管卵巣摘出術(片側または両側の卵管と卵巣の除去)
- 大網切除術(腹腔内の脂肪膜の一部を除去)
- リンパ節郭清(がん転移の有無を確認するために数個のリンパ節を摘出)
放射線療法
放射線は多くのがんに対して有効な治療手段で、卵巣がん患者の約50~60%が何らかの形で受けます。外部ビームによる照射や、腹腔内に放射性液体を注入する腹腔内放射線療法(IPRT)などがあります。
化学療法
化学療法は全身に作用する全身療法です。経口投与または静脈注射で行われ、場合によっては腹腔内に直接投与する腹腔内化学療法(IPCT)も選択されます。代表的なレジメは、プラチナ系薬剤(カルボプラチン)とパクリタキセル(商品名タキサン)の併用です。投与方法は患者の状態、がんのステージ、組織型に応じて決定されます。
将来の治療方向性
現在、臨床試験で検証中の新しい治療法がいくつかあります。
- 免疫療法:患者自身の免疫システムを活性化させてがん細胞を攻撃させる
- 分子標的療法:がん細胞特有のシグナル伝達経路や受容体を狙い、副作用を抑えた治療を目指す
臨床試験への参加に関心がある場合は、主治医に相談してください。
再発卵巣がんの対策
がんが再発した場合の治療は、初回治療と多少異なることがあります。主な選択肢は以下の通りです。
- 再度の化学療法
- 再手術(臨床試験の一環として実施されることもある)
- 生物学的製剤と従来の抗がん剤を組み合わせた臨床試験
再発時の最適な治療は、がんの進行度、患者の全身状態、過去の治療歴に基づいて個別に決定されます。
