化学療法によるカルニチン欠乏症
化学療法とカルニチン欠乏の関係
イホスファミドやシスプラチンは、がん治療に頻繁に使用される化学療法薬です。これらの薬剤は、体内のカルニチン(脂肪酸をエネルギーに変換する補酵素)の濃度を低下させ、欠乏を引き起こすことがあります。
欠乏のメカニズム
- イホスファミドはカルニチンエステルを生成し、尿中に排泄させるため、体内のカルニチンが減少します。
- シスプラチンも腎臓からのカルニチン排泄を増加させ、同様に欠乏を招きます。
症状
- 心筋症(心臓のポンプ機能低下)
- 骨格筋の衰弱(筋代謝障害による)
- 低血糖
診断
血液検査で血中カルニチン濃度の低下、尿検査でカルニチン排泄量の増加を確認します。イホスファミドやシスプラチン投与中は、欠乏が疑われる場合は検査を行うか、臨床的に判断して即座に補充療法を開始します。
治療
カルニチン欠乏の治療はシンプルです。経口または静脈内投与でカルニチンを補充します。副作用はほとんどなく、軽い不快感や吐き気程度です。吸収を確実にするために高用量投与が可能です。
予後
化学療法薬による一過性の欠乏であれば、適切にカルニチンを補充すれば予後は良好です。化学療法期間中は継続的に補充を行っても副作用はほとんどありません。
