化学療法後に発症する骨髄異形成症候群(MDS)
骨髄異形成症候群(MDS)とは
骨髄異形成症候群(MDS)は、血液や骨髄に影響を及ぼす疾患の一つです。MDSには「原発性MDS」と「二次性MDS(治療関連MDS)」の二つのタイプがあります。原発性MDSは軽度から重度まで幅があり、重度になると急性骨髄性白血病(AML)へと進行することがあります。一方、化学療法や放射線治療などが原因で発症する二次性MDSは、染色体異常がより顕著で、予後が比較的悪い傾向にあります。
二次性MDS(治療関連MDS)
MDSは骨髄(骨の内部にある造血組織)に障害をもたらします。通常、造血幹細胞は骨髄内で増殖・分化し、白血球、赤血球、血小板へと成熟します。しかしMDS患者では造血過程が正常に進まず、未熟な芽球や異形細胞が血中に放出されます。その結果、正常な血球が減少し、貧血や出血傾向などさまざまな症状が現れます。
二次性MDSは、他のがん治療の一環として行われる放射線療法や化学療法が原因で発症します。曝露後2〜10年の間に発症することが多く、特にアントラサイクリン系薬剤、アルキル化剤、エピポジルホシン系薬剤などがリスク因子として知られています。
症状
主な症状としては、貧血による倦怠感・疲労、出血やあざができやすいこと、頻繁な発熱や感染症があります。化学療法や放射線治療を受けた後にこれらの症状が現れた場合は、二次性MDSの可能性を医師に相談することが重要です。
治療法
治療は患者の状態に応じて選択されます。二次性MDSは予後が不良であるため、緩和的な支援療法を選択する患者が多いです。支援療法は、貧血や出血症状を緩和するための赤血球輸血や血小板輸血などが中心となります。
化学療法も一部の患者に適用されますが、MDS全体の30〜40%程度の患者しか有効な効果が得られません。
骨髄移植や幹細胞移植は、寛解をもたらす可能性がある唯一の根治的治療法とされています。しかし、移植には多くの副作用が伴い、年齢が高い、あるいは他の疾患を抱える患者は適応が難しい場合があります。
追加リスク要因
コロンビア大学医療センターとニューヨーク・プレスビテリアン病院の共同研究では、乳がん治療においてGM‑CSFやG‑CSFを併用した場合、化学療法後の二次性MDS発症リスクが高まる可能性が示唆されています。とはいえ、乳がんに対する化学療法の治療効果はMDSリスクを上回ると結論付けられています。
