|  | 健康と病気 >  | がん | 肝臓がん

なぜ肝臓は他の主要臓器と違い自己再生できるのか

肝臓の驚異的な再生能力

肝臓は他の主要臓器と比べて、損傷した組織を自らの力で再生できる独特な臓器です。この再生力は、肝細胞の増殖や特定の前駆細胞、免疫細胞、細胞外マトリックスの変化など、複数の要因が相互に作用することで実現します。

肝細胞(ヘパトサイト)の増殖

肝臓の主要な機能細胞であるヘパトサイトは、損傷を受けると細胞周期に入り、速やかに有糸分裂を繰り返します。これにより失われたヘパトサイトが補填され、肝臓の体積が回復します。

肝前駆細胞(幹細胞)の活性化

肝臓にはカニング管(Canals of Hering)に存在する前駆細胞、いわゆる肝幹細胞(オーバル細胞)が備わっています。肝障害が起きるとこれらの細胞が活性化し、増殖・分化して新たなヘパトサイトとなり、再生に寄与します。

胆管上皮細胞(コランジオサイト)の寄与

胆管障害など特定の状況下では、胆管上皮細胞であるコランジオサイトがヘパトサイトに転分化することがあります。この柔軟な細胞転換が、肝臓の再生をさらに促進します。

クッパー細胞による調整

肝臓に常在するマクロファージ、クッパー細胞は成長因子やサイトカインを分泌し、ヘパトサイトや前駆細胞の増殖・移動をサポートします。免疫調整と組織修復の両面で重要な役割を果たします。

細胞外マトリックス(ECM)のリモデリング

再生過程で肝臓のECMは動的に変化します。コラーゲンやプロテオグリカン、結合組織成長因子などの組成が変わることで、細胞の接着・移動・増殖が最適化され、組織全体の再構築が進行します。

肝臓がん - 関連記事