口腔がんの概要と対策
概要
口腔がん(口がん、口腔内がん)は、口腔や上部咽頭に発生する悪性腫瘍です。米国では2008年に約34,000人が診断されました。治療せずに放置すると、頸部・頭部・肺など他の部位へ転移し、致命的になることがあります。
経過(病変の進行)
口腔がんは、正常な組織・細胞が段階的に変化していく過程をたどります。正常 → 増殖(過形成) → 異形成 → 腫瘍(新生物) → がんという順序です。がん化する前の段階は「前がん」と呼ばれ、早期に発見・除去すればがんになることはありません。
タイプ
口腔がんは腫瘍の位置により、口腔内にとどまる「原発性腫瘍」と、他部位へ転移した「転移性腫瘍」に分けられます。細胞レベルでは、ほとんどが舌や口腔粘膜の扁平上皮細胞から発生する「扁平上皮がん(Squamous Cell Carcinoma)」です。まれに腺がん、リンパ腫、メラノーマなども見られ、組織型に応じた治療が選択されます。
診断
口腔内は視覚的に全体を確認しにくく、症状が出るまで本人が気づきにくいです。歯科医師が定期検診で口腔全体を視覚・触診し、色素沈着、炎症、潰瘍、異常増殖などをチェックします。
影響
口腔がんは噛む、飲み込む、呼吸するといった基本的な機能を阻害し、栄養摂取が困難になります。嚥下困難の場合は経管栄養が必要です。外科的切除により口腔や顔面に変形が残ることもあります。転移した場合は他臓器の機能障害を引き起こし、最終的には死亡に至ることがあります。
予防・治療
予防は喫煙・タバコ、過度の飲酒といったリスク要因の回避と、口腔衛生の徹底が重要です。定期的な歯科検診で早期発見すれば、病変の切除だけで済むことがあります。進行した場合は外科手術、放射線療法、化学療法などを組み合わせた多面的治療が必要です。
