骨髄異形成症候群の実態と対策
骨髄異形成症候群(Myelodysplastic Syndrome, MDS)は、骨髄が正常に機能しなくなることで血球の産生が阻害される疾患群です。健康な人では、骨髄の幹細胞が赤血球・白血球・血小板へと分化しますが、MDS患者ではこの分化が止まり、機能的な血球が不足します。血液と骨髄のがんに分類され、重篤な合併症を引き起こす可能性があります。
主な症状
- 息切れや倦怠感
- 原因不明の体重減少
- 蒼白
- 頻繁な感染症
- あざができやすい、出血しやすい
- 皮膚下に赤い点(点状出血)
リスク要因
- 60歳以上の高齢者に多く発症
- 小児や若年成人では稀
- 男性にやや多い
- 喫煙はリスクを上昇させる
- ダウン症候群やファンコニ貧血などの先天性疾患
原因
- 多くは原因不明(特発性)
- 既往のがん治療(特定の化学療法薬)やベンゼン、重金属、農薬・除草剤などの環境毒素への曝露が関与することもある
罹患率
- 米国白血病・リンパ腫協会の推計によれば、2008年に11,000件以上の新規診断があり、人口10万人あたり約4件の発生率とされる
治療法
- 根本的な治癒法は確立されていない
- 治療の主目的は合併症の予防と症状緩和
- 若くて健康な患者は骨髄移植が選択肢になることがある
- 貧血に対しては輸血療法、血球産生を刺激する薬剤療法が行われる
- 化学療法や幹細胞移植も一部で検討される
