放射線治療の長期的影響

放射線治療は、手術前に腫瘍を縮小させる目的や、手術後に残存がん細胞を除去する目的で行われます。高エネルギーのX線を用いてがん細胞を直接破壊しますが、正常組織にも影響を与えることがあります。多くの患者は治療中に軽度の副作用で済むものの、長期的に現れる影響は数年後に顕在化し、場合によっては生涯にわたって続くことがあります。

正常細胞の損傷

放射線はがん細胞だけでなく、周囲の正常細胞も損傷します。治療部位に慢性的な炎症や浮腫が生じ、胸部への照射は心臓や肺に線維化を起こすことがあります。腹部への照射は膀胱機能障害を引き起こすことがあります。

脳組織への影響

血管障害により白質の変性が進行し、数年後に認知機能や記憶力の低下、人格変化が見られることがあります。重度の場合は壊死組織の除去手術やステロイド投与が必要になることがあります。

ホルモンバランスの変化

放射線は甲状腺機能や水分代謝、糖代謝、性ホルモンに影響し、不妊や性欲低下、早発閉経を招くことがあります。

慢性的な疲労感

長期的に最も一般的な症状は疲労です。治療中だけでなく、治療終了後何年もエネルギー不足が続くことがあります。組織修復にエネルギーが消費されることが主な原因と考えられています。

組織障害

放射線照射部位近くの組織が損傷し、肺機能低下や呼吸困難、首や腕の可動域制限、嚥下障害、ドライマウスによる口腔トラブルが起こります。対策としては酸素吸入、呼吸リハビリ、薬物療法(例:アミフォスチン、ステロイド、パリフレミン、ミソプロストール)があります。

外観の変化

乳房への照射は皮膚の色素沈着や硬化を引き起こし、対側の乳房と比較して形や重量が異なることがあります。

放射線誘発性がん

放射線治療後に二次がんが発生するリスクはゼロではありません。特に白血病は治療後5〜9年でリスクが高まりますが、他のがんは10年以上経過してから顕在化することがあります。

まとめ

放射線治療はがん治療に有効ですが、長期的な副作用についても理解し、定期的な検診や適切な対策を講じることが重要です。

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