テストステロンとは

テストステロンは男性ホルモンとして、性欲や精子産生を支えるだけでなく、筋肉の維持・骨密度の維持・赤血球の生成促進など、身体全体に重要な役割を果たします。自然に分泌されるテストステロンが何らかの理由で低下した場合、ホルモン補充療法(TRT)を検討することがあります。

補充療法が必要になる理由

テストステロンが低下する原因はさまざまです。

  • 精巣の外傷や手術
  • 慢性疾患全般
  • 放射線療法・化学療法
  • 加齢(40歳頃から始まる「アンドロポーズ」)

特に加齢による低下が一般的ですが、アンドロポーズに対してTRTが有効かどうかはまだ議論の余地があります。

主な治療法

テストステロン補充にはいくつかの投与方法があります。

  • 医師が行う皮下注射
  • 皮膚に貼付するパッチ(陰嚢や腕)
  • 皮膚に塗布するジェル

いずれの方法でも、効果が現れるまでに最大で6か月かかることがあります。

前立腺への影響

現在の研究では、TRTが前立腺がんを直接引き起こす証拠はありません。しかし、未診断の前立腺がんがある場合、テストステロンが腫瘍の増殖を促す可能性があります。また、TRTは前立腺肥大(良性前立腺肥大)を引き起こすことがあり、勃起障害や排尿障害の原因となります。

予防と対策

TRTを開始する前に、必ず前立腺がんのスクリーニングを受けましょう。これにより、腫瘍が拡大するリスクを回避でき、健康な状態で治療を開始できます。既に前立腺がん治療を受けた方は、寛解中であってもTRTは推奨されません。