注意欠陥・多動性障害(ADHD)の概要と対策

症状

ADHDの子どもはしばしばぼんやりとしており、授業や遊びの最中でもすぐに注意が散漫になります。忘れ物が多く、常に動き回り、必要以上におしゃべりです。静かに座っていることが苦手で、衝動的に行動したり、他人の話を遮ったりすることが頻繁に見られます。多くの子どもは時折これらの行動を示しますが、ADHDの場合はほぼ常に見られます。

タイプ

CDCの分類によると、ADHDは大きく3つに分けられます。

  • 主に不注意型:課題を最後までやり遂げられず、細部に注意が向かず、指示を正確に守れない。日常のルーティンを忘れがちです。
  • 主に多動・衝動型:落ち着きがなく、過度に話し、座っていることができず、衝動的に行動します。
  • 混合型:上記2タイプの特徴が併存します。

原因

ADHDの正確な原因は未解明ですが、神経生物学的要因が関与しているとされています。遺伝的要素が強く、ADHDの親は子どもにも同症状が出やすいです。脳損傷、早産、妊娠中のアルコール・タバコ曝露、体内の鉛濃度上昇、妊娠合併症などもリスク要因と考えられます。

診断

子どもの行動に不安がある場合は、まず小児科医に相談します。注意欠陥は学習障害や不安障害でも現れるため、視覚・聴覚検査や学習評価などで他の疾患を除外します。複数の症状が確認され、他の原因が排除されたときにADHDと診断されます。

薬物療法

ADHDは根本的な治癒法がないため、症状の管理が目的です。刺激性薬(メチルフェニデートなど)と非刺激性薬(アトモキセチンなど)があり、非刺激性薬は副作用が少なく、24時間効果が持続するとされています。薬剤の選択は子どもごとに異なる反応を示すため、医師・保護者・教育者が連携し、最適な投薬量と種類を調整します。

行動療法

薬に加えて行動療法も重要です。子どもが整理整頓できるよう支援し、日課を設定し、環境中の刺激を最小限にします。肯定的な行動を報酬で強化し、効果的なしつけ法を学びます。また、趣味や特技を通じて自己肯定感を高めることも推奨されます。家庭と学校の環境を適切に整えることで、薬に頼らず症状をコントロールできるケースもあります。

ADHDに関する誤解

「ADHDは実在しない障害で、親のしつけ不足が原因だ」という誤解がありますが、米国国立衛生研究所や外科医総長はこれを否定しています。また「子どもだけの問題」という考えも間違いです。国立ADHDリソースセンターの調査によれば、成人の約2%がADHDと診断されています。

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