ヘムロック中毒の兆候と症状
ヘムロック(セリ科に属する水ヘムロック)は、北半球の湿地や草原に自生する極めて有毒な植物です。摂取すると重篤なアレルギー様反応(アナフィラキシー)を引き起こし、迅速かつ積極的な医療処置がなければ致死に至ります。
けいれん
ヘムロックに含まれる主要な毒素はシクチトキシンとオエナントキシンです。これらは神経伝達を妨げ、中枢神経系に強い刺激を与え、激しい痙攣(強直間代発作様)や筋肉の不随意収縮(運動失調)を引き起こします。適切な治療が行われない場合、死亡することがあります。
嘔吐・吐き気・腹痛
摂取後15分以内に嘔吐、吐き気、激しい腹痛が現れることが多く、これらが最初の症状となります。場合によっては嘔吐より先に痙攣が出ることもあります。腎不全を引き起こす危険性もあるため、早期の診断と処置が重要です。
心拍変動と呼吸困難
毒素の神経作用により、心拍数が徐脈と頻脈を交互に繰り返すことがあります。これに伴い血圧も急激に上下し、心血管系に負担がかかります。呼吸が浅くなる、あるいは自発呼吸ができなくなることがあり、気道確保のための気管挿管が必要になる場合があります。
対処と治療
- 直ちに救急医療を受診し、血液・呼吸管理を行う。
- 活性炭投与や胃洗浄で毒素の吸収を抑制する。
- 痙攣にはベンゾジアゼピン系薬剤、心拍異常には適切な循環管理を実施する。
- 腎機能が低下した場合は透析が検討される。
予防
野生のヘムロックは見た目が似た食用植物と混同しやすいため、野外での植物採取は専門知識がある場合に限り行い、子供や家畜が誤って摂取しないよう注意が必要です。
