小麦アレルギーとその主な疾患
小麦に対する本格的なアレルギーは、免疫系が誤って小麦タンパク質を攻撃対象とすることで発症します。免疫が作り出す抗体が小麦のタンパク質に結合し、消化器系の不調から皮膚のかゆみや発疹まで、さまざまな症状を引き起こします。小麦アレルギーには、単なる食物アレルギー以外にもいくつかの特殊な形態があります。
セリアック病(グルテン過敏症)
メイヨークリニックはセリアック病を「食物アレルギーではなく食物過敏症」と定義しています。小麦や他の穀物に含まれるグルテンに対して免疫系が異常に反応し、腸粘膜を損傷します。その結果、消化不良、栄養吸収不良、体重減少、疲労、腹痛などが生じます。患者の中には、痒みを伴う水疱性発疹(ヘルペス様皮膚炎)を発症することもあります。診断は症状の評価と血液検査の組み合わせで行われ、治療はグルテンを含む食品を完全に除去することが唯一の方法です。
小麦依存性・運動誘発性アナフィラキシー
この疾患は、小麦を摂取した後数時間以内に運動を行うと、アレルギー症状が出現するという稀なタイプです。症状は皮膚の紅潮、呼吸困難、失神まで様々で、診断は医療機関での運動負荷テストによって行われます。治療はトリガーの回避が基本で、食後4〜6時間は運動を控える、月経中は運動を避ける、運動前にアスピリンやNSAIDsを服用しないなどが推奨されます。また、常にエピペン(自己注射型アドレナリン)を携帯することが重要です。
ベーカーズ・アスピリ(粉塵性喘息)
名前が示す通り、パン屋や製菓業務に従事する人々に多く見られる疾患です。小麦粉の粉塵を吸入すると、単なる刺激にとどまらず、小麦タンパク質に対する真のアレルギー反応が起こり、喘息様の呼吸困難を引き起こします。皮膚テストで小麦に対する陽性反応が確認でき、治療は粉塵への曝露を避けることが唯一の方法です。継続的に粉塵にさらされると症状は悪化します。
