腹部大動脈瘤の非外科的治療と自然管理
腹部大動脈瘤とは
腹部大動脈瘤(AAA)は、心臓から全身へ血液を送る大動脈の腹部部分が拡張した状態です。大動脈瘤の約90%は腎動脈以下に発生し、主に60歳以上の男性に多く見られます。
原因
- 動脈硬化:血管壁が硬くなり弱くなることで、血圧の負荷により拡張しやすくなります。
- 遺伝性結合組織疾患:マルファン症候群やエラスチン欠損など。
- 外傷後:大動脈に外傷が加わった後に形成されることがあります。
- 真菌・細菌感染:免疫不全や梅毒などが原因になることがあります。
症状
多くの場合無症状ですが、進行すると腹部や背部の激しい痛みを伴うことがあります。脈打つ腫瘤を触知できることもあり、破裂するとショック状態に陥り、生命に危険が及びます。
診断方法
- 超音波検査:大動脈瘤のサイズと成長速度を評価。
- CTスキャン・MRI:詳細な解剖情報を取得。
- 血管造影(MRA):血流状態を確認。
非外科的治療
直径5cm以下の小さな瘤や手術適応外の患者に対しては、生活習慣の改善と薬物療法が中心です。
- 禁煙:喫煙は動脈硬化を進行させます。
- 血圧・コレステロール管理:降圧薬やスタチンでコントロール。
- ベータブロッカー:心拍数と血圧を低下させ、瘤への負荷を軽減。
- 定期検査:6〜12か月ごとに超音波またはCTでサイズをモニタリング。
