ペルテス病(レッグ・カーヴェ・ペルテス病)に対する理学療法のポイント
概要
ペルテス病は、股関節への血流が一時的に途絶えることで大腿骨頭(大腿骨の球状部分)が壊死し、形が崩れやすくなる疾患です。主に12歳未満の男児に多く、約1,200人に1人の頻度で発症します。血流が回復すると新しい骨と軟部組織が再生しますが、治療期間中は股関節の可動域が制限され、炎症や疼痛が生じやすくなります。
理学療法の目的
治療の基本は「containment(股関節頭を寛骨臼内に保つ)」と、壊死した大腿骨頭をできるだけ球状に回復させることです。多くの場合、手術を行わずに理学療法と抗炎症薬だけで改善が期待できます。
主なリハビリテーション内容
1. 可動域の確保と拡大
股関節の可動域を保つことが、骨頭の正しい位置保持に直結します。以下の2つの動作が中心です。
- 股関節外転(アブダクション):子どもが膝を外側に押し出すように、保護者の手で抵抗を加えながら行います。外転により寛骨臼への収束力が高まります。
- 股関節回内・外旋(ローテーション):仰向けに寝た状態で脚をまっすぐ伸ばし、脚を内側・外側に回す運動です。回旋は関節包の柔軟性を高め、骨頭の位置調整を助けます。
2. 筋力強化と姿勢指導
大腿四頭筋や臀筋群の筋力をバランスよく強化することで、股関節への負荷を均等に分散させます。また、日常生活での姿勢や歩行指導も併せて行い、過度なストレスを防ぎます。
3. 炎症管理と痛み緩和
アイシングや温熱療法、適切なストレッチで炎症を抑え、痛みを軽減します。必要に応じて医師の処方する抗炎症薬と併用し、リハビリテーションの効果を最大化します。
理学療法は、個々の症例に合わせたプログラムを組むことが重要です。定期的な評価と調整を行いながら、最適な「containment」を維持し、将来的な股関節変形や変形性関節症のリスクを低減させましょう。
