概要
鎌状赤血球症は、血中のヘモグロビンが異常(ヘモグロビンS)となり、酸素運搬が妨げられる疾患です。ヘモグロビンSは鎌形をしており、通常のヘモグロビンAに比べて早く壊れやすく、体内の酸素供給が不足します。ヒドロキシウレアは主に化学療法で使用される薬剤ですが、鎌状赤血球症の疼痛発作の緩和にも用いられます。
重要性
鎌状赤血球症の主な疼痛症状は、全身どこでも起こり得る血管閉塞性発作(Vaso‑occlusive crisis)と、急性胸部症候群です。ハーバード大学の研究では、ヒドロキシウレアがこれらの発作頻度を最大で半減させる効果が確認されています。
作用機序
ヒドロキシウレアは胎児ヘモグロビン(HbF)の産生を促進します。HbFは鎌状ヘモグロビンSの形成を抑制し、赤血球が鎌形になるのを防ぎます。出生後に減少するHbFの産生は、幼少期に治療を開始すれば高い確率で再活性化できますが、個々の反応は患者差があります。
注意点
ヒドロキシウレアは白血球や血小板の数を減少させるため、感染リスクが高まります。そのため、投薬は医師の厳密な管理・モニタリングが必要です。
副作用と効果
ヒドロキシウレアは鎌状赤血球症を根治するものではなく、疼痛発作の頻度を減らす目的で使用されます。主な副作用として、重度の胃痙攣、原因不明の赤い顔面発疹、脱毛などがあります。
