スケウエルマン症(成長性胸椎後弯症)の概要と治療法
スケウエルマン症は、デンマークの放射線科医ホルガー・スケウエルマンが1920年代に報告した成長期に起こる胸椎の後弯変形です。思春期に発症し、胸椎が過度に丸くなることで姿勢が前かがみになり、軽度の背痛や背部のこわばり、疲労感を伴います。男性に約2倍多く見られ、全人口の約8%が罹患するとされています。
概要
スケウエルマン症は軽症の場合は日常生活に大きな支障をきたさないことが多いですが、重症になると肺機能や神経、その他の組織に影響を及ぼすことがあります。胸椎上部のカーブが顕著になるため、姿勢が丸まって見えることが特徴です。
原因
正確な原因は不明ですが、思春期の骨の成長が何らかの要因で中断・乱れ、前方の椎体が後方より速く成長することが関与すると考えられています。家族性に遺伝することもあり、併発して側弯症を呈するケースもあります。
診断
健康な椎体は長方形に近い形で積み重なりますが、スケウエルマン症の患者はX線で楔形(くさび形)椎体が認められます。身体診察ではカーブの頂点位置、痛みの部位、可動性、他の合併症の有無を評価します。
薬物療法
疼痛や炎症の緩和には、アセトアミノフェンやイブプロフェン、ナプロキセンなどの市販鎮痛・抗炎症薬が有効です。症状が強い場合は医師の指示のもと、処方薬での管理が行われますが、薬物はあくまで一時的な緩和にとどまります。
治療・リハビリテーション
背筋の強化エクササイズや姿勢矯正トレーニングは、カーブの進行を抑える基本的なアプローチです。治療方針は、患者の年齢、カーブの角度、疼痛の有無、肺機能への影響などを総合的に判断します。重症例では、矯正用ブレースの装着や外科的手術(椎体の矯正・固定)が検討されます。
